皿型暗渠側溝の施工のポイント

お疲れ様です、土木男です。

ホクエツの皿型暗渠側溝の布設をやってみました。基本的には、一般的にはプレキャストのL型側溝の布設と同じ流れになるのですが、いくつか気を付けたいポイントもありましたので記事にしてみました。

敷モルタルの施工について

基本的な作業の流れは、基礎砕石の上に敷きモルタルを敷き、その上に布設する流れになります。基礎コンクリートの上に据える製品とは違いスペーサーは使えませんので、スムーズに座るかどうかは敷きモルタルの精度に大きく影響してきます。

ちなみに、敷モルタルは私が担当しました。レベル見て、丁張かけて、写真を撮って、ダンプに乗って、敷モルタルをして、、Bクラスの現場監督なんてものはこんなものです。

私の経験では、大体3~4mmほど上げ越しで敷きモルタルを均し、バックホウで何回か押さえつけるといい感じになりました。5mm以上だと押さえても下がりきりませんでした。中央部をしゃくませたりせず(通称、ブリッジ工法)、ビシッと平坦に敷きならすと意外と下がりません。

また、ポンと製品を置いただけで高さが合うようでは必ず沈下しますので、バックホウで押さえつけて製品とモルタルを馴染ませてからの高さを調整高として下さい。

ただ、困ったのは雨の日の施工です。雨の日は、敷きモルタルが水分を多く含んでしまい仕事になりません。今回は、そこまでひどい雨の日がなかったので、だましだまし据えることができましたが、土砂降りの日や融雪装置の水が流れ込んで来るような場合は少し考える必要があります。隣の工区でも同じ工事していたのですが、ジョイント部に小さいプレキャスト版を敷いて、その上にスペーサーで高さを合わせて布設していました。こちらのほうが作業性はいいです。高さ調整や法線調整も楽ですし。消雪ブロックなんかはこの方法で布設します。

ここだけの話、写真場以外はほば空練りです。ほぼ空練りとは言いましたが、気持ち程度水を入れますので、空練りに近い練りモルとも言えます。つまりは、練りモルです。写真場は、たぷんたぷんに練った練りモルを敷き均し、パシャリと状況と厚みを撮ってから、一旦撤去。ちょっと水が少ないかなという練りモルで再施工です。たぷんたぷんの上に製品を据えるのは不可能とは言いませんが、無理です。

目地の開きについて

この製品は、VS側溝のようにぴったりとはくっつきません。接合面にパッキンがついており、パッキンの分だけ製品が離れます。ボックスのようにジャッキ等で引っ張り寄せることはできないので、バリ等で押してくっつけます。目地の開きは何ミリという決まりはないようです。パッキンが少し潰れる程度まで押せればいいと思います。製品を押した際に、敷モルタルが接合面に入り込まないよう接合面は少し敷モルタルを下げて置いたほうがよさそうです。

製品と製品は連結プレートで固定しますので、インパクトドライバーが入るぐらいの掘削幅があれば楽です。

目地の施工

接合部の天端だけモルタル目地が必要なのですが、車が乗るとめっちゃ割れます。製品が微妙にガタついているのが原因だと思うのですが、きっちりとガタツきもなく据えたつもりでも、、やっぱり割れるところは何回直しても割れました。この製品に関しては、モルタル目地ではなくコーキング剤のほうがよさそうです。

桝タイプの施工

この製品の一番のネックは、桝タイプの製品です。上部(側溝部)と下部(桝部)が分かれおり、非常に施工がやりにくいです。
もっといい作りにはならなかったのかと怒りがこみ上げてくるレベルです。

今回は、上部と下部を番線で縛り固定してから据えましたが、この方法ですと、2mの製品に対して、支持地盤との接地面が桝部の80cm程度だけになってしまいます。製品の長さ的に両端で支持させるのは難しいです。ましては、桝部は最下流の端部にもってくるものですので、続きの合い方がいない分、非常に下がりやすいです。施工には十分に気を付けて下さい。

長さ調整

この製品には、長さ調整用の切り物の製品が用意されています。この製品は、天端には集水用のスリットが入っていないので、好きな箇所で切断できるのですが、切断すると切断側は連結プレートを取り付けることができなくなります。!?

今回は、現場条件的に上流側から施工しましたので、最下流の桝部との間に端尺が必要になりました。ただでさえ安定しない桝部と一般製品部が連結プレートで連結できないとなると面白くありません。今回は、桝部のさらに1本手前に切り物を噛まして、せめて桝タイプと一般タイプ1本とは連結させました。

では、桝部から据えて上端部に切り物をもってくる場合ならどうなるかと考えますと、集水スリットの入っててない製品を端部にもってきてもあまり意味はありません。それはもう、ここまで製品が入っていますという見栄えだけの問題になってきますので、条件があえば担当に相談して延長を短くしてしまうのも手だと思います。

埋め戻しの施工について

この製品は敷モルタルの上にポンと座っているだけですので、雑に埋めたり、片側だけランマをかけると簡単に動きます。埋め戻しには十分に注意して下さい。埋め戻しまではトランシットは据えておいたほうがよさそうです。

今回は、トランシットを据えたときに2回ほど見たくはない現実が見えてクラっときました。まぁ、そのまま行きましたけど。

だいたい、トラで覗くからクラっとくるのであって、普通に見る分には少し通りが折れたぐらいなら、気を付けてみないと気付かないものです。っというのが気持ちの最終防衛ラインであって、折れないにこしたことはありません。特に新米監督さんは折れてしまうと検査までモヤモヤとしたものが残りますので。

余談ですが、これの感じ方も経験年数によって変わってきます。新米のころは、少しでも下がったり、折れたりしたら夜も眠れない日が続きましたが、今では、クラっときた後に、まぁいいっかとなります。

検査前の清掃について

この製品は、ほぼ暗渠側溝みたいなものですので、蓋を開けて清掃するというこができません。

この製品のカタログには、側溝の清掃用に長いワイヤーを通して引っ張るという器具があると書いてあり、営業に貸してもらえるか確認したところ、そのようなものはないと・・・オイッ、コラ。

実際は、高圧洗浄機で清掃したらきれいになりました。製品の中は、泥やスリットから入った小石などですので、高圧洗浄機の水圧でも十分に間に合いました。

以上が、私が気になった皿型暗渠側溝の施工のポイントでした。皿型暗渠側溝をやる機会があれば参考にして下さい。

コメント

  1. 北の土木男 より:

    すごく参考になりました。
    今回、3カ所(30m)(40m)(100m)の既設側溝撤去跡に暗渠側溝に
    やり替えで3カ所とも前後(中間)に桝が付いている、という施工です。
    桝の大きさも240型300型450型とまちまちで、生活道路の中でお店もあって
    施工順序を考慮していました。
    桝を先に付いてから側溝を設置しようと思いましたが、片側の桝設置して
    から側溝設置して最後にまた桝を入れようかと思いました。

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